1-3 浸透圧

自己組織化されて群れになっていくものたちには、どんな法則があるのでしょうか?

ここでは、その仕組みである浸透圧について説明します。
 
私自身、農家として自然を観察する中でこの仕組みを知ったので、植物を例に挙げて説明しましょう。
 
植物は、水に溶けた養分を浸透圧によって吸収します。
浸透圧とは『濃度の薄い方から、濃度の濃い方へ移動する』システムです。
そのため、植物は水の少ない時には自身の体内の溶液濃度を高めて水を吸おうとします。
これが、水分のストレスを与えて味の濃い作物を作る方法なのですが、これと同様のことが自己組織化にも適用されます。
つまり、『群れは濃度の濃い方へ集まって作られる』ということです。
 
これは例えば、都市であれば人口密集地に人が集まることであり、経済であれば巨大な資本に吸収合併されることでもあります。
よく言われる『売れているからさらに売れる』という現象の原因でもあるでしょう。
 

こうして、あらゆる個別の要素は、浸透圧の法則に沿って集まり、群れは大きくなっていくのです。