1-2 自己組織化の例

ではピンと来ない方のために、実例を挙げてみましょう。

素粒子から惑星へ
物理的な元素は、引力に従って引き寄せられていき、最終的には惑星になるぐらい巨大な群れを作ります。
アミノ酸から人類へ
同様に、有機物も群れを作ります。
アミノ酸を形成した後、タンパク質となって動物へと組織化されていきます。我々の体も、小さなタンパク質やアミノ酸の群れだということもできるでしょう。
商店街から大企業へ
小さな町の商店街の一角にあったお店も、拡大とともに群れを作っていき、世界を股にかける大企業へと組織化されていきます。
村から国家へ
同じく、最初は小さな集落から始まった村も、町や都市を経て、ついには国が形成されるようになっていきます。国家も一つの群れの形だと言えるでしょう。
噂から学問へ
最初は個人の体験から来る噂に過ぎなかった情報も、科学によって様々な情報が組織化されることにより、学問へと昇華されてきました。これも情報の群れの形だと考えられます。
心から群衆心理へ
我々一人一人の心も、集団になったり、ネットワークに繋がることによって、群れ化します。個人の心も、集まることによってその群れ自体が一つの心理を形作るのを見たことがないでしょうか?
 
と、このように、あらゆるものは個から群れへと組織化されていくのがこの世界の普遍的システムです。
自分の周りにあるものがどのような群れになっているのか、注意して見てみるとまた違った世界が見えてくるかも知れません。
 
では、この自己組織化システムについてもう少し深掘りしていきましょう。