ネットワーク効果と相転移

このべき乗則システムが機能するためには、ある条件が必要となります。

それが、ネットワークです。

 

一章で説明したように、スモールワールドと呼ばれる最も効率的なネットワークが形成され、組織化されているのであれば、これらのようなべき乗則が適用され、指数関数的な変化が生まれるようになります。

これはネットワーク効果と呼ばれ、次の変化の条件にもなります。

充分な組織化が行われ、べき乗則によって肥大した群れは、その臨界点を迎えた後、ある時突然その様相を変化させます。

それが、相転移です。

 

相転移と言っても、特に難しいものではありません。

水が氷になるように、また水蒸気になるように、あるものがその『相』を変えることが相転移です。

これはもちろん、分子構造だけに留まりません。

馬車が車になったり鉄道になったり、電話がポケベルになり携帯電話になりスマホになったように、そして世界が無機物から有機物を経て恐竜から哺乳類に変わったように、ありとあらゆる分野でこの相転移現象は起こります。